【「魔法のおなべ」研究シリーズ】001…プロサンプション活動が実経済に根付いていく示唆
こんにちは。大広の梅田です。
前回から時間が空いてしまいましたが、今回から新たな章「魔法のおなべ」に入っていきます。
前回までは、「交換経済」と「贈与経済」との関係構造を見ていきました。その結論としては、
「プロサンプション活動で獲得した『評価』を金銭価値に(直接的に/間接的に)変換する“各種アプローチ”が発見されれば、交換経済単独で経済をドライブさせる(=純粋な資本主義経済を回す)のではなく、贈与経済をも含めた新しい形で経済をドライブさせることが可能となり、それは即ち人間のより本質的で高次な欲求を満たす経済世界の実現に相当する」
という美しい構造であり、単純労働からの解放を示唆するものでした。そこで、今回からはその具体的な“各種アプローチ”を探っていきたいと思います。
尚、取り上げる「魔法のおなべ」はエリック・レイモンド「伽藍とバザール」「ノウアスフィアの開墾」に続くシリーズ3部作の最後になります。「ノウアスフィアの開墾」までは、オープンソースでプロサンプション活動をする意義/モチベーションやその力学に焦点が当たっていましたが、「魔法のおなべ」では、それらがしっかりと現実の経済世界に根付くものかどうか、を検証しています。
したがって、「魔法のおなべ」には“各種アプローチ”のヒントが詰まっていますし、最近話題のクリス・アンダーソン著『FREE』も検討材料に加えながら、整理していく予定です。
さて、今回はそのまず前説として、最近気になったトピック記事をご紹介します。
全体的にみて、モルガンスタンレーは、経済が回復しつつある良い兆候がたくさんあると見ている、と彼女は言う。通常、経済回復の一番の目安になるのが株式市場であり、たしかにテクノロジー分野にその回復が見られる(Apple参照)。これは朗報だ。なぜなら、今や最も資本が投下されている市場は、金融業界ではなく、テクノロジー業界だからだ。
今われわれは、モバイルウェブによるコンピューターの新しいサイクルに入っている、とMeekerは考えている。AppleのiPhoneと iPod touchがその先陣を切ってトップにいることは間違いない。彼女はモバイルウェブの規模を、従来のデスクトップインターネットの少なくとも10倍と見積もっており、今後さらに加速して成長するだろうと考えている。
ほかに、Wi-Fi、GPS、3G、Bluetooth等、モバイルウェブを取りまく周辺テクノロジーが急成長していることも指摘している。しかも、そのすべてが「不況下」に急成長を遂げたのである。
(TechCrunch「モルガンスタンレーのメアリー・ミーカーが語る:経済は回復の兆し、モバイルは急成長、iPhoneは驚異」(翻訳:Nob Takahashi)より)
・・・この記事はとても興味深いです。なぜなら「経済が、(破綻した)金融ではなく(プロサンプション活動のベースとなる)テクノロジーで再編される」であろうことを示唆しており、それは(今までのテクノロジーよりぐっと身近な)モバイル周辺でドライブし、その規模が従来の10倍という規模になると予測しているからです。
即ち、モバイル環境がより身近で手軽(で無意識的)な大量のプロサンプション活動を引き起こし、それが実経済を強くリードしていくものである、ということを示唆しているように思えます。
では、次回からはその示唆をより具体的にしていくために、“各種アプローチ”を整理していきたいと思います。