【同人シリーズ】004…「ワンフェスの仕組み」の事例紹介(後半)

こんにちは。大広の梅田です。

同人シリーズに戻ります。前回の記事は、

 

・ワンダーフェスティバルのようなガレージキット(組み立て模型キット)のイベントが、アマチュア愛好家の間で盛り上がり続けている。

・ただし、版権元に対して無許可の作品の展示・販売が問題となっていた。

・対策として、「当日版権システム」という、「場所(会場)」「日時(イベント当日)」「対象(当日の展示販売物)」が限定された版権を与えるシステムが広まっている。

 

といった内容でした。さて、ここで気になる「版権元」と「ユーザー」との関係性を調べてみたところ、(現状では当然かも知れませんが)版権元側が主導権を握っているようです。

まず、版権の与え方において各版権元の対応にかなり差があるようで、イベント毎に版権を与える与えないを決める、作品の条件を限定する、など色々と版権元も細かく対応しています。

また、そもそもですが、

本来版権とは著作権者がある一社に何万~何千単位で関連商品を生産販売することを許諾する代わりにその販売で得た利益の一部を版権料として回収するためのシステムである。

したがって多くても数十個単位しか販売しないアマチュアディーラー相手では決して儲けにはならない。すなわち、版権元が儲けにならなくても「版権をおろす価値がある」と認識してくれているからこのシステムが成り立っているのである。

Wikipedia「当日版権システム」より)

という指摘があります。少し補足をすると、「ひとつの規模が小さい、多くのユーザーの版権対応をしており、単純なビジネスとしては損だ」、ということですね。

そこで、文中の「版権をおろす価値」の話しになるわけですが、具体的には、

・対象コンテンツのムーブメント創出

・ファンサービス

・無許可版権展示/販売の取り締まり、意識付け

などが考えられると思います。1番目「ムーブメント創出」については、

“涼宮ハルヒ当日版権情報

Q2007年冬のワンフェスで当日版権は許可されるでしょうか?

A:申請を受け付けております。みなさんの立体作品で、引き続き「ハルヒ」を盛り上げいただければと思います。

(当日版権条件情報@Wiki「各版元特記」より)

2番目「ファンサービス」については、

過去、ワンフェスに関してはアマチュアのイベントという観点から、(中略)。しかし、最近メーカー様からの一日版権の申請や、活動規模からアマチュアディーラーとは考えづらい方々からの申請が増えてきたため(後略)

(同上より)

といった版権元のメッセージからも読み取れると思います。

 

以上、簡単にまとめると、

・現状は「当日版権システム」は機能している。

・ただし、現状は版権元が主導権を握っている関係上、版権元に負担が掛かっている。

・版権元は単純なビジネスというよりは、むしろプロモーション価値をメリットに感じている。

ということになります。

さて、以上の事例紹介を踏まえて、次回は考察に入っていきたいと思います。

カテゴリー: プロサンプション事例紹介 — 梅田 5:57 PM  コメント (1,245)

プロサンプション活動におけるモチベーション仮説

こんにちは。大広の梅田です。

前回、宮腰さんから興味深い記事SONY BRAVIAでのプロサンプション事例」が上がり、コメント欄で軽い議論をしましたので、それを改めて記事として取り上げます。

 

注目すべきは、

「テレビウィジェットコンテスト」によって参加を促すというやり方は、「発展的関係」を構築するという意味において果たして望ましい施策なのか~プロモーショナルではあるがプロサンプション行為の本質的な意味でのモチベーション・アップにはつながらないし、消費者の評価によって選ばれるのではなく審査員(数名の外部審査員を含む)によって選ばれるという点においてメーカー主導色が強い~という懸念はありますし、そもそも消費者サイドにおける“テレビの機能の生産ニーズと”いうものがどの程度あるのか(あるいは喚起できるのか)が不明なので、結果として「発展的関係」にまでは至らないのではないかという気もしますが、事例としては注目しておく価値があると思います。

という記述です。

そこで、梅田として

直感的には、

「対立」というフェーズは、実は重要で、

その段階で、生産消費者のモチベーションを

生んでおかないと、なかなか発展しないのでは?

という仮説を持っています。

(熱量さえ高ければ「対立」である必要性はないとは思いますが)

というコメントをし、宮腰さんから、

確かに「対立」という状況はモチベーションを強化~というか“行動”を加速する要因になると思いますが、それは生産消費活動に対する本質的モチベーションとは少し違うような気もします。

いずれにせよ“モチベーション”についてはもう少し掘り下げてみましょう。

というレスポンスがありました。

さて、ここでもう少しだけ深く考えてみます。

レゴ事例より仮説として提示した第1フェーズの「対立」は、もしかしたら「自発」等と表現した方が適切かも知れませんね。

つまり、企業がどう関与しようがしまいが、まず生産消費者の「自発的行動」がないプロサンプション関連のビジネススキームは成立しづらいのでは?という仮説です。

※「自発」フェーズにおいて、企業が批判的な関与をしているケースが「レゴ事例の『対立』」になりますね。

そもそも、(少なくとも本ブログにおける)プロサンプション活動の定義は、「プロサンプション研究のアウトライン(その1)」で書いた、

「消費者が自分(たち)の満足のために為した成果」

「その成果に対して金銭の授受が発生しない」

「その成果を代替できる金銭経済圏の既存ビジネスがある」

であり、特に最初の項目が最も重要だと考えているので、「消費者が自分たちの満足のための自発的行動(=生産消費活動)を促すにはどのようなアプローチがあるか?」という研究は重要なテーマでした。

(今回の記事を機に、改めてその点を強調しておきます)

 

これから数回に渡って事例紹介・研究をする予定の【同人シリーズ】について、その点にも気をつけて書いていきたいと思いますが、直感で考えるに、「モチベーションを企業が促す」というよりは「生活者の根本的なモチベーションに上手に乗っていく」という方が、有力な気がしており、その「乗っていく」アプローチが幾つかあるのでは?と踏んでおります。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 4:19 PM  コメント (116)

SONY BRAVIAでのプロサンプション事例

宮腰です。

ソニー株式会社のプレスリリースによると、BRAVIA(液晶テレビ)の「アプリキャスト」(画面右側部に表示してテレビ画面を邪魔せずにインターネット上の最新情報を楽しむための機能)用の開発ツール(SDK)を個人向けに公開したそうです。

法人向けのSDK公開は普通だし、個人向けだとしてもネット系(Firefox等のブラウザのプラグイン開発など)、あるいは趣味性の高い領域(レゴの事例?)であればさもありなんと言えますが、“家電”の一部機能のSDKを個人向けに公開するというのはある意味凄い(画期的な)ことかもしれません。

ちなみにこのケースでは、梅田がレゴ事例でまとめた

「対立」⇒「容認」⇒「公認」⇒「発展的関係」

というステップをベースにすると、

「対立」⇒「容認」⇒「公認」⇒(発展的関係?)

という構図だと言えそうです。つまり「対立」ステップは存在せず、「容認」⇒「公認」までが一気に行われるわけですね。

 ソニーでは、これまで法人向けに限定して公開していたソフトウェア開発ツールを、新たに個人向けにも公開することで、個人開発者のユニークな発想に基づく“アプリ”の広がりと、それらの“アプリ”を中心とした全く新しいネットワークの楽しみ方が生まれることを期待しています。ソニーは今後も、ネットワークを介したさまざまなコンテンツを楽しむためのプラットフォームとして、<ブラビア>のハードウェアおよび各種機能を充実させてまいります。
 またソニーでは、個人向けソフトウェア開発ツール公開に合わせて「テレビウィジェットコンテスト」を開催し、創造性にあふれたユニークな“アプリ”を募集いたします。

※ソニー株式会社のプレスリリースより引用。
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200809/08-127/index.html

「テレビウィジットコンテスト」のサイト
http://www.jp.sonystyle.com/Taiken/Original/Applicast/contest.html

「テレビウィジェットコンテスト」によって参加を促すというやり方は、「発展的関係」を構築するという意味において果たして望ましい施策なのか~プロモーショナルではあるがプロサンプション行為の本質的な意味でのモチベーション・アップにはつながらないし、消費者の評価によって選ばれるのではなく審査員(数名の外部審査員を含む)によって選ばれるという点においてメーカー主導色が強い~という懸念はありますし、そもそも消費者サイドにおける“テレビの機能の生産ニーズと”いうものがどの程度あるのか(あるいは喚起できるのか)が不明なので、結果として「発展的関係」にまでは至らないのではないかという気もしますが、事例としては注目しておく価値があると思います。
「発展的関係」に至るプロサンプション・テーマと、「発展的関係」にまでは至らないテーマを分析する上で役に立つ事例かもしれません。

なお普通に考えると、BRAVIAよりはPSP(プレイステーションポータブル)の自作ソフト開発用SDKを公開する方がプロサンプション的メリットがあるのではないかと思いますが、PSPはむしろそのような行為を排除する(つまりは「対立関係」)方向にあるようです。
ゲーム機のSDK公開は「他人から入手したコピーソフトの使用」(著作権法違反)や「本来その機種では使用(起動)できないはずのソフトの使用」(不正競争防止法違反)といった不正行為につながりかねないので(事実そのような行為が行われてきたので)、純粋な意味でのプロサンプション行為だけを保護し発展させることが難しいからでしょう。

 

 

カテゴリー: プロサンプション事例紹介 — 宮腰 10:47 AM  コメント (1,084)

【同人シリーズ】003…「ワンフェスの仕組み」の事例紹介(前半)

こんにちは。大広の梅田です。

さて、【同人シリーズ】に戻ります。早速「ワンフェスの仕組み」について、触れていきたいと思います。

以前のエントリー記事にも書きましたが、そもそも「ワンフェス」なるものを調べてみようと思ったきっかけは、MADを「許諾する」というスタンスはワンフェスに近い。」というはてなブックマーク上のコメントでした。

そのコメントを見た瞬間は、

「“ワンフェス”ってなんぞや?」

「でも、MADのようなプロサンプション活動をすでに許諾している事例があるのであれば、調べなければ!」

という感じでした。このブログをご覧になっている皆様も同様の方が多いのでは?

 

というわけで、まずは、「ワンフェス」からご紹介すると、「ワンダーフェスティバル」の略で、世界最大のガレージキットのイベントです。(ガレージキットとは、組み立て模型のキットのことです。“プラモデル”を想像するとイメージしやすいかも知れません)

「コミケ(コミックマーケット)の組み立て模型キット版」とも言えます(が、ワンフェスはプロ、アマチュア問わない)。

ですので、イベント発足当時は、コミケ同様に、漫画やアニメ等の原作を元にした組み立て模型キット(つまり二次創作物)の許諾が問題となっていました

そこで発明されたのが、「当日版権システム」です。

簡単に言ってしまえば、

「当日の、その会場でやりとりされるモノに関してのみに、簡易的な許諾を与える制度」

となります。

 

・・・以上が、「ワンフェスの仕組み」の導入になります。どうですか?「なかなか上手いことを考えるな!」と感じませんでしたか?私もそう思います。そしてさらにリサーチを進めてみました。

 

なんとなく全体概要はイメージしていただけたかと思いますので、次回は、「ワンフェスの仕組み」をもう一歩踏み込んで、(仕組みの詳細と問題点、また今後の可能性など)ご紹介いたします。お楽しみに!

カテゴリー: プロサンプション事例紹介 — 梅田 2:05 PM  コメント (1,296)

【トピックス】…「環境貢献型ブログパーツグリムス」が指し示すブログパーツの可能性

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、【同人シリーズ】をいったん休んで、トピックスのご紹介です。

 

gremz(グリムス)というブログパーツをご存知の方、多いのではないでしょうか?

そのグリムスから、こんな発表が最近ありました。

 

環境貢献型ブログパーツグリムスが月間の表示回数1,000 万回を突破

グリムスは、ブログ上でバーチャルな木を育てる育成型ブログパーツサービスです。登録したユーザーはそれぞれのブログ上でバーチャルの苗を育成し、ブログ投稿により大人の木に成長すると、ユーザーに代わってグリムスとその協力団体が植林活動を行っています。植林費用は、グリムス運営によって得られる広告費によりまかなわれています。

(中略)

グリムスは、今後も個人で手軽に行えるエコアクションの輪を広め、少しでも地球に貢献できるウェブサービスを運営していきたいと考えております。

gremz http://www.gremz.com/release_data/release_080903.pdf より)

 

実はこの事例、プロサンプション活動とも密接な関係があるのでは?と考えています。

プロサンプションは、一般生活者が普段知らず知らずのうちに起こしている行動でもあります。例えば、育児。例えば、DIY。例えば、交番の代わりに道案内をしてあげること。

そんな普通の小さな活動においては、他方におけるビジネス活動に影響を与える事はあまりありません。

しかし、それらが繋がって大きなインパクトを持ったら、つまりマスコラボレーションが起こったらどうでしょう?例えば、一番最初にご紹介したレゴの事例がまさにそれに当たります。

 

つまり、「プロサンプション関連ビジネス」を考える際、「個々のプロサンプション活動」×「マスコラボレーション」というのが、ひとつのスキームになってくるのかな、と想定しながら研究を進めています。

 

その「マスコラボレーション」を起こすためには、「指針」が必要です。バラバラな活動の方向をひとつの軸に揃えるパワーなり存在ですね。

ちょっと前の記事「レゴ事例の分析(後半)」で、

ポイント1

(生産者側の)リスク回避のアプローチ(のひとつ)として、「プロサンプション活動の『場』や『方向性』を定める」ことが有力。

(プロサンプション研究ブログより)

と書いたことと同様です。

 

で、その「指針」として、「ブログパーツ」は機能できるのではないか?というのが、このトピックスの趣旨で、その可能性をうまく発揮させるひとつのアプローチが「環境貢献」というVisionです。

生活者は、グリムスを貼っているだけで、この「環境貢献」というVisionに乗れるわけですし、みんなが貼った結果、つまりマスコラボレーションが起こった結果として、植林がされるわけです。

 

・・・というわけで、今回は「ブログパーツ」がバラバラなプロサンプション活動をディレクションするひとつのツールになるのでは?というお話でした。

次回は、また【同人シリーズ】に戻ると思います。お楽しみに!

カテゴリー: 関連トピックのメモ — 梅田 3:31 PM  コメント (725)

【同人シリーズ】002…角川グループとMADの関係と今後の可能性

こんにちは。大広の梅田です。

さて、早速ですが、「角川グループとMADの関係と今後の可能性」の事例紹介や考察を進めていきます。

 

そもそも、この「同人シリーズ」を書くきっかけとなったのがこの事例であり、次に引用する記事です。

YouTubeはコミケ」「キーワードは愛」角川社長が語るMADとの付き合い方

角川HDは動画共有サービスに対して積極的な著作権者の1つとして知られている。YouTube上に公式チャンネルを開設しているほか、最近では一般ユーザーが投稿したMADを公認。その動画に広告を掲載して、収益の一部を投稿者に還元する考えを持っている。

(中略)

YouTubeに対して、(中略)『日本のコミケ(同人誌販売イベント)と同じだ』と思った。コミケでは『海賊版』の漫画が堂々と出品されている。既存の出版社は大きく反対しているが、私は新しいリテラシーを持っている人が生まれているのではないかと感じ、そこから作家が育つように支援した。

CNET Japan http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20378222,00.htm より。著者 永井美智子)

非常に積極的であり、著作権の問題が話題となっている中、巨大コンテンツホルダー企業の姿勢として素晴らしいと思います。また、ユーザー(MAD制作者、動画閲覧ユーザー)と関係性を結ぼうとする戦略は、今後のプロサンプションビジネス社会では必須になってくると思います。

ただし、(新しい取り組みには付き物で当然なのですが)課題もあります。

大小各種、問題や懸念が指摘されているとは思いますが、根本的には、

「膨大なコンテンツを独自の審査基準でひとつひとつ評価し、各コンテンツの処遇をそれぞれ決めなければならない」

ということではないか、と考えます。

(もちろん巨大企業が採るアプローチとしては致し方ない側面ですし、まだテスト段階であり、これから解決されていくと思われる課題ですが、)このようなアプローチを採り続けていくのであれば、ひとつひとつが小さく、品質はバラバラで、数は無限に増えていくような、Web2.0/ロングテール/玉石混合の世界においては、限界が来てしまいます。

事実、角川自身も

個別に交渉していくことになりますね。広告主様にも「こういう動画に広告を出したい」という意向がありますから、各方面で折衝を重ねることになります。正直に言えば、ものすごい労力ですよ。

(日刊サイゾー『角川デジックス社長に聞く“MAD解禁”宣言の真意』http://www.cyzo.com/2008/05/post_599.html より)

現状では審査に膨大なコストが掛かかることがネックです。今回はキャンペーンという形で費用を処理しましたが、実際に運用してみて“やはりビジネスとして成立しない”となれば、残念ながらMADを含む動画コンテンツすべてを大きく規制しなければならないかもしれません。

R25.jp 『角川グループが「MAD動画」認証へ その真の狙いとは?』http://r25.jp/web/link_review/20002000/1122008062704.html より。著者 呉琢磨)

のような見解も表明しています。

 

また、そのような課題を抱える、さらに根本には、「動画共有サイト、ひいてはプロサンプション活動に対する認識の(ユーザーとの)相違」があるのかも知れません。

それが伺える記述が、冒頭に引用した部分でもあります。

つまり、「YouTube」=「コミケ」=「海賊版マーケット」という認識ですね。

この等式、パッと読み流してしまうとあまり違和感がない(人が多いと思いますし、私も最初そうでした)ですが、冒頭の引用元記事のはてなブックマーク上のコメントで、次のようなものがありました。

YouTubeとコミケを一緒にするのは間違い。MADを「許諾する」というスタンスはワンフェスに近い。」

「二次創作と海賊版を同列とする言い方に、ちょっと不満はあるけど…」

「MADはコミケでは禁止されている、というのはどれ位知られているのだろう」

そして、上記について調べていくうちに、徐々にその意味、つまり、そのユーザーが抱いた違和感であり、プロサンプション活動の本質の幾つかが、少しずつ明らかになってきました。

 

というわけで、これ以降は、

・「コミケと出版業界の関係と今後の可能性」

・「ワンフェスの仕組み」

について事例紹介、考察をしていきながら、「角川」×「YouTube」を含む、コンテンツ創作活動系のプロサンプションビジネスの在り方を探っていきます。

・・・コミケもワンフェスも昔からあるユーザー発のイベントで、相応の知恵が詰まっているはずです。ニンテンドーDSの「枯れた技術の水平思考」同様、今こそ「枯れた知恵」を見直して、新たなプロサンプションビジネスに活用すべきポイントを抽出すべきタイミングなのかも知れませんね。

 

次回は、「ワンフェスの仕組み」についての事例紹介をするつもりです。お楽しみに!

カテゴリー: プロサンプション事例紹介 — 梅田 5:40 PM  コメント (1,147)

【同人シリーズ】001…本シリーズの概要

こんにちは。大広の梅田です。

今日から「同人シリーズ」の連載を始めてみます。

※ずっと同じ話題が続くのも重いので、途中で他の話題(旬のトピックスなど)も入れていきます。

※そのため、タイトルに【同人シリーズ】と入れて、分かりやすくしています。

 

まず、「同人」という言葉ですが、あまり馴染みがない方、あるいは特定の意味をご存知の方、と理解は様々だと思いますが、もともとは、

明治時代の頃、同じ趣味や志をもった仲間同士が集まって、同人雑誌というものをつくっていた。

(中略)

これらの同人雑誌から多くの歌人や詩人、小説家などをうみだしている。なお、当時の同人雑誌の会員のことを「同人」(たとえば、尾崎紅葉は「硯友社の同人」)と呼んでいる。

(中略)

ちなみに、書道や美術の同人は、発表に雑誌を使わない場合もある。

Wikipediaより)

という、かなり広い意味の言葉です。言ってしまえば、(文芸関連の)プロサンプション活動の元祖というか、そのものを指す言葉ですよね。

ですので、そのままの意味合いでの「同人シリーズ」だと、このブログ「プロサンプション研究ブログ」における、かなりのエントリー記事があてはまってしまいます(笑)。

ですので、そうではなく、もう少し特定の意味合い

「漫画、アニメ関連の同人活動」

としての「同人シリーズ」とお考えください。これらの領域は様々な(広義の)同人活動の中でも特に活発であり話題になりやすく、またビジネスとの接点が多いので、研究する意義が強いと考えます。

 

さて、本シリーズで書く予定のトピックスですが、

・「角川グループとMADの関係と今後の可能性」

・「コミケと出版業界の関係と今後の可能性」

・「ワンフェスの仕組み」

などです。これらの事例を紹介し、個々の構造を分析し、それらの類似点・相違点を整理していくことで、プロサンプション関連ビジネスのポイントの幾つかを抽出してみたいと思います。

 

展望としては、

「対立」⇒「容認」⇒「公認」⇒「発展的関係」

の各ステップを進めるポイントを探ろうと思いますが、レゴ事例で書いた

・「対立」⇒「容認」の段階で、生産者側のある程度のリスク回避、および「生産者」「生産消費者」双方のメリットが見えること。

というのがありますので、その確認と同時に、それ以外にも焦点を当てていきます。

具体的には、「容認」⇒「公認」のステップの障害となるものと、その解決アプローチが幾つか見えてくるのでは?と期待しています。

同人からプロに転向した作家の事例はたくさんありそうですし、それを積極的ビジネススキームにしていくための提案なども、ブログ上で議論されています。また、同人運営における暗黙の了解となっている「嫌儲」(利益を出すスタンスへの嫌悪感)にも切り込んでいきたいと思います。

 

以上が本シリーズの概要になります。次回ではまず「角川グループとMADの関係と今後の可能性」の事例を紹介していきたいと思います。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 3:32 PM  コメント (739)

初音ミクの最近のトピックス

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、前回の

ちょっと固めの話も落ち着いてきましたので、今後は事例紹介や分析の他にも、時流のトピックをフックにプロサンプションを考えるなど、硬軟織り交ぜて面白いブログにしていきたいと思いますので、より一層よろしくお願いします。

(思ったこと何でも結構ですので、お気軽にコメントくださいね)

という宣言通り、最近のトピックをひとつご紹介。

 

■『初音ミク』をフィーチャリングしたアルバムがTOP10入り

livetune feat.初音ミクのアルバム『Re:Package』が発売1週目で2.0万枚を売上げ、9/8付週間アルバムランキングの5位に初登場した。

(中略)

インディーズ作品として2007年に『Re:Package』を発売したところ瞬く間に完売。先月27日にビクターより発売された全国盤の『Re:Package』でメジャーデビューを果たした。

(ORICON STYLEより)

 

という現象が起こっています。すごいですよね。バーチャルな歌手が局地的、ではなくもはやメジャーな人気を集めようとしています。

 

ここで注目すべきは3つです。

「初音ミクの世界観やイメージはユーザーが作り上げた部分が多い」こと。

「インディーズ時代からニコニコ動画を中心に曲やアーティスト(livetune)に火がついた」こと。

「その盛り上がっているユーザーと、メジャーレーベルとが関係性を持った」こと

インディーズからメジャーへ、というステップは珍しくないですが、上記のように、ユーザーがつくったコンテンツやその盛り上がり、もしくはユーザー自身と、良好な関係性を目に見える形でうまく結んだ事例は、なかなか無いと思います。

 

・・・ということで、(前にもちょこっと宣言しましたが)今後は同人の世界、分かりやすい事例で言えば、“コミケ”(コミックマーケット)や、MAD(複数の映像を編集した二次創作作品)を中心に、事例紹介と分析をしていきます。

お楽しみに。

カテゴリー: 関連トピックのメモ — 梅田 9:58 AM  コメント (533)