レゴ事例の分析(後半)

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、前回抽出したポイントをさらに、「プロサンプション研究概要080819」の図2に沿った形でまとめてみたいと思います。

 

■研究仮説に沿ったレゴ事例まとめ

 

・「生産者」と「生産消費者」の関係性向上ステップは、「対立」⇒「容認」⇒「公認」⇒「発展的関係」。

・活発なプロサンプション活動があることが関係性向上の前提。

・「対立」⇒「容認」の段階で、生産者側のある程度のリスク回避、および「生産者」「生産消費者」双方のメリットが見えること。

・「生産消費者」は、「生産者」に熱狂的な活動を提供することで、自分たちの活動を支援してもらえる。

・「生産者」は、「生産消費者」に良好な活動環境を提供することで、「製品価値」「売上」が高まる。

 

そして、上記を踏まえて、再度、図2を眺めると重要なポイント2つ見えてきます。

 

ポイント1

リスク回避のアプローチ(のひとつ)として、「プロサンプション活動の『場』や『方向性』を定める」ことが有力。

⇒「コードの公開」「開発キットの提供」をすることで、「プログラムに関する情報」について「生産消費者」に積極的に関わってもらうようにしたことがポイント。ここがレゴ社にとっては、ひとつの決断だったと推測。つまり、「プログラムに関する情報」を「消費者」へ提供する(そして金銭をもらう)可能性を諦める代わりに、「プログラムに関する情報」を創造するコストも削減可能

 

ポイント2

「生産消費者」が「消費者」に提供しているのは「プログラムに関する情報」であり、「生産者」が「消費者」に提供しているのは「レゴ商品(モノ)」。すなわち、「消費者」に違うものを提供

このことで、「生産者」にとって、「生産消費者」の活動は競合にはならず、したがって「消費者」から「生産者」への金銭の流れが減ることもない

 

以上、まとめると、

「『生産者』の事業ドメインと『生産消費者』の活動ドメインが(対「消費者」において)競合せず、シナジーを生むような構造を構築するために、積極的に『生産消費者』の活動を支援する」

ということが「プロサンプション関連ビジネスの基本方針」になるでしょうか。

ただ、これでもまだ一般論的ではあるので、今後も事例を紹介し、分析していくことで、この仮説の精緻化と具体化を図っていきます。

 

※また、事例研究を進めることで、今回は詳しく触れなかった他のステップ、「容認」⇒「公認」⇒「発展的関係」についても、重要なポイントを抽出していきたいです。例えば、ステップを進めると企業の公認度が高まり、かえってユーザーの熱が冷める懸念もありそうですよね。「嫌儲」などのトピックも絡めてその辺りを考えていければと思います。

 

さて、次回からは、これまでに構築した仮説を念頭に置きつつ、「MAD」「コミケ」あたりを話題にしていきたいと思います。

ちょっと固めの話も落ち着いてきましたので、今後は事例紹介や分析の他にも、時流のトピックをフックにプロサンプションを考えるなど、硬軟織り交ぜて面白いブログにしていきたいと思いますので、より一層よろしくお願いします。

(思ったこと何でも結構ですので、お気軽にコメントくださいね)

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 1:07 PM  コメント (2,515)

レゴ事例の分析(前半)

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、前回ご紹介したレゴ事例からポイントを抽出してみましょう。

 

■レゴ事例のポイント抽出

 

まず、特徴的なのは、時系列で見ていくと、生産者(レゴ)と生産消費者(レゴのファン)の関係性が良好になるまでに、明確なステップを踏んでいることです。

「対立」⇒「容認」⇒「公認」⇒「発展的関係」

(他の事例を追いかけないと分かりませんが)割りとどの事例にも当てはまりそうなパターンなのではないでしょうか。

※将来的に、プロサンプション関連ビジネスが発展していけば、「対立」の期間は無くなる、あるいは短くなるかも知れません。

※「発展的関係」については、もう少しピッタリくる名称があると良いのですが・・・。あと、このフェーズでは、「生産消費者」であるレゴのファンは、レゴから金銭を受け取っており、現在想定している正確な意味での「プロサンプション」(自分たちの満足のためだけの行為であり金銭の授受は発生しない)からは外れています。ここは要検討課題です。

※このステップを踏まえると、様々な事例が説明しやすくなるような気がします。今思いつく限りでも、動画共有サイトなどは「対立」⇒「容認」を、コミケなどは「容認」⇒「公認」を、それぞれ模索している段階だと捉えられそうです。レゴ事例がひと段落したら、次はこれらをテーマに書いていくと思います。

 

また、もうひとつのポイントは、各ステップを推し進めるベースには、「ユーザーの熱狂」があった点です。当たり前ではありますが、そもそもの活発なプロサンプション活動がなければ、このような関係性向上のステップは踏めないでしょう。

 

最後のポイントとしては、「対立」⇒「容認」のステップで既に、レゴ側のリスクがある程度回避され、お互いのメリットが明確になっていることです。

これを説明するために、前回に加えてもう少し引用をしてみましょう。

 

【対立(98年頃)】

熱狂的ファンは、自分たちの発見したことをまとめて、オンラインに掲示している。たとえば、あるスタンフォード大学生のサイトには、ハードウェアのハッキングのために、ばらばらに分解・分析されたレゴ社の電子機器の写真が掲載されている。別のサイトでは、コントローラーのハードウェアに送ることができるコマンドの数値が分析されて、箇条書きにしてある。

レゴが大好きで、ハッキングが趣味だという、ボストン大学のシステム管理者、マシュー・ミラー氏は、第一段階はハードウェアをばらばらに分解して、それをよく観察することだという。

WIRED VISION『『レゴ』で知能ロボットを作ろう』http://wiredvision.jp/archives/199809/1998092803.htmlより。原文著者 Chris Oakes

【容認(00年頃)】

けっきょくレゴ社が出した結論は、少々不可解なこの新しいお客たちにも、これまでの68年間に子供やその親たちと接してきたのとまったく同じように、親切で丁寧な対応を示そうということだった。レゴ社は、マインドストームのプログラミング・ソースコードの公開さえ行なったのだ。

(中略)

「レゴ社としては、公式には(ハッカーたちを)奨励も批判もしないが、個人の趣味の範囲内で使いたいという人に対しては、ソフトウェア開発者向けキットの提供を続けていくつもりだ」とダルトン氏。

 

で、結果はどうなったかって? このロボット組み立てキットの売上げは急増し、オープンソースのマインドストーム用プログラム言語が、この製品の可能性を大幅に拡大した。

2つともWIRED VISION『オープンソースの『レゴ・マインドストーム』が大人気()http://wiredvision.jp/archives/200011/2000110903.htmlより。原文著者 Michelle Delio、日本語版訳者:藤原聡美/合原亮一)

 

つまり、98年頃にあった「製品の隅々まで解析されて企業秘密をバラされる」というリスクに対して、(法的手段でのリスク回避も検討したが結果的にはそうではなく)00年頃に「プログラミング・ソースコードの公開」「ソフトウェア開発者向けキットの提供」という手段を採ったことにより、「余分なハッキングを受けるリスク」を回避し、「製品価値」を高め、「売上」を急増させることが出来ました。

また、レゴのファン(生産消費者)の方も、自分の満足のゆく活動が思う存分できるようになりました。

 

さて次回は、抽出したポイントをさらにまとめて、スキーム化してみる予定です。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 4:44 PM  コメント (1,229)

レゴの事例紹介

こんにちは。大広の梅田です。

今回から、いよいよ色々な事例を紹介・分析していきながら、前回までで提示してきた研究のアウトライン(仮説)をより具体的にしていきます。

 

この研究のゴールは、「プロサンプションを含む経済圏におけるエージェンシービジネスの参入アプローチを検討する」ということですが、その過程においてまずは、「プロサンプションを含む経済圏の原理」の理解、すなわち前回記事の添付資料の図2の理解を進めていきます。

 

 

■レゴマインドストーム(+α)の事例

 

「レゴ」はみなさまご存知だと思いますが、ブロックを組み合わせて色々な立体物、例えばロボットをつくって遊ぶ世界的に有名なおもちゃです。

それを更に発展させたのが、「レゴマインドストーム」で、普通のブロックに加えて、プログラミングされたマイクロチップ、センサー、モーター、コントローラー等がくっついたブロックを組み合わせることで、実際に動くロボットなどをつくれるおもちゃです。

 

98年に発売されたのですが、これが熱狂を生みました。その過程を追ってみましょう。

 

【対立(98年頃)】

発売から三週間でユーザーグループがいくつも生まれ、(中略)プログラムの改変が始まった。ユーザーからさまざまな提案がだされたが、これを受け取ったレゴ社は当初、法的手段に訴えると示唆した。

(『ウィキノミクス』(ドン・タプスコット、アンソニー・D・ウィリアムズ著、井口耕二訳、日経BP社)第5章より)

 

【容認(00年頃)】

レゴ社は製品へのハッキング行為をとくに奨励はしていないが、それよりもっと重要なのは、彼らがわれわれの行為を妨害していないということだ。われわれはレゴ社の技術担当スタッフと友好的な関係にある。

WIRED VISION『オープンソースの『レゴ・マインドストーム』が大人気()http://wiredvision.jp/archives/200011/2000111006.htmlより)

 

【公認(05年前後か)】

いまではマインドストームはソフトウェアライセンスに「ハッキングする権利」を明記し、マニアが創造力のおもむくままに改造して良いとはっきり許可している。

現在、レゴでは、mindstorm.lego.comというサイトで、ソフトウェアの改造を推奨している。

(『ウィキノミクス』同より)

 

【発展的関係(05年以降)】

※マインドストームの事例ではないが、その延長戦の位置づけられる事例

レゴ・ファクトリーでは、顧客がWeb上の3Dのデザインプログラムを使って好みの製品モデルをデザインすることができる。デザインされた製品モデルのうち、優れた製品は実際に商品化して他の顧客に販売し、顧客は売り上げの一部を受け取る仕組みである。(中略)多くのレゴファンは自分のモデルが商品化されるように、優れたモデルの開発に積極的に打ち込むのである。

NIKKEI NET ビズプラス『第4回「顧客との対話Dialogueで経験価値を高める」』http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/eigyo/rensai/cocre.cfm?i=20060113e1000e1より)

 

 

・・・以上、如何でしょうか。時系列で追っていくと、「生産者」と「生産消費者」の関係性が徐々に良くなっていたのが分かると思います。

では何故、良い関係性を築けたのでしょうか?

恐らく、双方にメリットがあったからですよね。

次回は、この事例をケーススタディとして、その辺りを少し考察してみたいと思います。

カテゴリー: プロサンプション事例紹介 — 梅田 1:18 PM  コメント (779)

プロサンプション研究のアウトライン(その3)

こんにちは。大広の梅田です。

前回の続きになります。

 

前回までで、

・「プロサンプション」=「ブラックボックスな宝箱」。

・ごく普通の生活者のプロサンプションな活動は、マスコラボレーションでインパクトを持つ。

・「育児/教育」のような領域でもそれは起こる。

・例えば、iKnowは英会話学校ビジネスに影響を及ぼす可能性がある。

ということを書いてきました。

 

■エージェンシービジネスとしての参入アプローチ(中篇ビジネスとしての脅威と機会)

 

それでは、今後、英会話学校ビジネスは、どのような方針を採るべきなのでしょうか?

また、その際、エージェンシービジネスの機会はどのような点にあるのでしょうか?

 

それらを考察する上で、まずは英会話学校における、iKnowの脅威と機会を整理してみます。

 

まず、真っ先に思いつく脅威としては、顧客をiKnowに取られることですよね。

生活者にしてみれば、今まで払っていた受講料が無料になるわけで、iKnowへ移る人が多くいても不思議ではありません。現に、iKnowの会員数は既に20万人程度いるようです。

しかし、この「脅威」を「機会」として捉えることはできないでしょうか?

例えば、iKnowの無料サービスの一部として、英会話学校の会員獲得プロモーションを実施してみたらどうでしょう? またiKnow上で、その英会話学校の会員のみが使えるメニューを開発してみたらどうでしょう?

20万人のうち、何割かの人は興味を持ってくれるのではないでしょうか。

 

また、ひとたび「機会」として捉えてしまうと、例えば、iKnow内の先生役(=生産消費者)の一部を、英会話学校の講師(=生産者)として認定し、業務を依頼することも考えられ、従来の雇用コストより安くなる可能性がある・・・といった事まで想定できます。

 

以上、脅威と機会について考察してみましたが、(もうお分かりのように)iKnowiKnow上の生産消費者とどのようなスタンスで付き合うのかで、脅威にも、機会にもなるのではないでしょうか。

 

 

■エージェンシービジネスとしての参入アプローチ(後編参入アプローチの分類(仮))

 

さて、以上のような方針を英会話学校ビジネスが採った場合、エージェンシービジネスの機会として、大きく2つのことが考えられるのではないでしょうか。

 

1. iKnow上のコンテンツやコンテクストを利用したプロモーションメニューを開発し英会話学校へセールスすること。もしくはメニューの共同開発のメンバーの一員となること。

⇒生産消費者の活動を直接的に活用するもの。

⇒非金銭経済のポテンシャルを金銭経済化するアプローチ。

 

2. 開発したものを、英会話学校の新たな強みとして、外へと告知すること。

⇒生産消費者の活動を間接的に活用するもの。

1.で金銭化した価値を拡大するアプローチ。

 

 

・・・以上が「プロサンプション研究のアウトライン」になります。

今後このブログで書こうとしていることが、なんとなくでもイメージしやすくなったのであれば幸いです。

 

また、上記の1.や2.では分かりづらいかも知れませんので、「プロサンプション研究の概要」として、一般化して図式化した資料も添付します。ご覧ください。

prosumption080819 

今後は、事例を中心に扱いながら、現時点ではまだ漠然としている「プロサンプションビジネスを展開するポイント」「そこにエージェンシービジネスとして参入するポイント」などを研究していく予定です。

 

さて、次回は、「レゴ」の事例を見てみたいと思います。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 4:48 PM  コメント (692)

プロサンプション研究のアウトライン(その2)

こんにちは。大広の梅田です。

前回の続きになります。

 

「プロサンプション」=「ブラックボックスな宝箱」を開けるアプローチを考えるために、まずは分類について考えてみます。

 

 

■プロサンプションの種類・分類

 

まずは分かりやすさを優先して、大きく2つに分類してみます。

 

1. Webやコミュニティ・ネットワーク上で展開されることにより、マスコラボレーションが起こり(不特定多数の力が連鎖的に作用し)、(インパクトのある)成果を上げるもの。

【事例候補】

プログラム(リナックス、レゴマインドストーム等)/ゲーム(XNA Game Studio ExpressXbox360)、WiiWere、アイドルマスター、バンドブラザーズDX等)/Webサービス(Wikipedia、ニコニコ動画等)/エンタテインメント(VOCALOID(初音ミク等)、各種MAD等)/コミュニケーション(ブログ・SNS、サントリー・ハイボールナイト等)

 

2. 個人のみの何らかの活動により、(一般的な)成果を上げるもの。

【事例候補】

育児/教育/医療/ヘルスケア/DIY…etc.

 

※「1.」の事例の収集・分析が「クリエイティブ」「コミュニケーション」関連のビジネススキームの開発に繋がると想定。

※「2.」まで含めた事例の収集・分析が「マーケティング」戦略スキームの開発に繋がると想定。

 

※このようなアプローチの分類の他にも、より適切なアプローチがあるかも知れません。

 

 

■エージェンシービジネスとしての参入アプローチ(前編ケーススタディの提示)

 

単純に考えると、「1.」関連が参入しやすそうですが、「2.」についても大いに可能性があると考えます。

なぜなら、現状「2.」のようなもの、例えば、「(一般的に普通に親が行う)育児」や「(学校や法人やボランティアが行う)教育」であっても、今後「1.」のようなマスコラボレーションによるインパクトが起こる可能性が高い、もしくは既に起こっているからです。

 

例を出してみましょう。

『富の未来』(アルビントフラー/ハイジ・トフラー著、山岡洋一訳、講談社)では分かりやすい文体で、様々な生産消費(者)の例と、その重要性が語られていますが、その中には、こんな例が挙げられています。

 

ブラジルのベロオリゾンテでは、マリアナ・ピメンタ・ピニェイロが、犯罪と暴力の街だから危険だと警告されながらも、毎週一回、狭い階段をのぼって貧民街のいちばん上まで行き、子供たちに英語とコンピューターを教え、貧困から抜け出せるよう教育している。

(『富の未来(上)』第23章(隠れた半分)より抜粋)

 

つまり、英語が出来るボランティアが「ボランティア精神」というモチベーションで教育をしているわけです。

これにマスコラボレーションが掛け合わさった事例が、「iKnow」ではないでしょうか。

iKnowは英語教育のSNSで、コミュニティ内の英語が堪能な人(≒英語教師)と繋がれて、自分が書く英語の日記(≒英語の勉強)に対して、感想や評価を英語でしてくれます。

その他に、ゲーム感覚で楽しみながら英単語、リスニング、英作文等の勉強ができるアプリケーションがあり、勉強した結果が蓄積され、それをネタに日記を書いたり、友達と競争したりすることが出来ます。ちなみに、このiKnowはほとんどすべて無料で使えます。

英語が堪能な人は、ボランティア精神や、単に他人との交流を楽しむために、このSNSで活動しています。

 

この事例は何を意味するのでしょうか? 例えば今まで英会話学校に行っていた人、英語の教材を買っていた人、英語家庭教師を雇っていた人が、その回数を減らしたり、あるいは辞める代わりに、このiKnowを使うようになるかも知れません。

これが、

「プロサンプションによる、消費活動の、金銭経済から非金銭経済への移行」

です。

かつては、ブラジルの片隅で行われていたような、個々人のプロサンプションが、今ではマスコラボレーションにより、(例えば英会話学校にとって)ひとつの大きな脅威となる可能性が出てきています。

(実は大きなチャンスでもあるのですが)

 

さて、エージェンシービジネスに置き換えてみましょう。

・・・と、また長くなってしまったので、続きは次回にいたします。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 1:14 PM  コメント (2,537)

プロサンプション研究のアウトライン(その1)

こんにちは。大広の梅田です。

このブログについての説明も済んだので、さっそく事例紹介!・・・の前に、現時点で、梅田が想定している研究のアウトラインを書きたいと思います。

 

※ご注意※

あくまで現時点での想定であり、むしろブログ上での研究を通して、多様な視点が追加されることで、各種スキームの捉え方など、かなり変わってくる予感がしています。

 

 

■「プロサンプション(生産消費活動)」という事象の捉え方

 

“生産消費(者)”というと、「消費者が何か具体的に商品・サービスを生産」「セミプロ」といったイメージがまず先に立つと思うので、イメージする事例としては、やはり「Wikipedia」「ニコニコ動画」などではないでしょうか?

したがって、生産消費の定義としては、

Web上で展開される事象(CGM)」「クリエイティブなものをつくること(UGC)」「みんなが参加してつくること(マスコラボレーション)」

といったようなイメージがあるかと思います。

 

しかし、それらは「プロサンプション」の本質ではない、と考えています。

CGM/UGCやマスコラボレーションは、あくまでプロサンプションを促進させたり顕在化させたりする要素です。

(ですので、プロサンプションと関連したビジネスを考えていく上では非常に重要な概念ではあります)

 

本質はむしろ、「金銭経済」との比較で、浮かび上がってくるのではないでしょうか。つまり、プロサンプションを、

「消費者が自分(たち)の満足のために為した成果」

「その成果に対して金銭の授受が発生しない」

「その成果を代替できる金銭経済圏の既存ビジネスがある」

という事象として捉えます。

このような捉え方をすることで、「プロサンプション」と「既存ビジネス」との関係性が明確になると考えます。

 

※『富の未来』(アルビントフラー/ハイジ・トフラー著、山岡洋一訳、講談社)を読まれた方はお分かりかと思いますが、上記は『富の未来』の内容に沿った考え方です。まずは純粋にアルビン・トフラーが提唱したスタンスに立って、研究を進めていこうと思います。

 

 

■プロサンプションビジネスについて

 

以上の議論より、次のようなことが仮の命題になります。

 

金銭の授受は発生しないが既存ビジネスを代替してしまう「プロサンプション」という事象(あるいは「生産消費者」)と、既存ビジネスはどのような関係性を結ぶべきか? (対立? 包囲? 融和? 対等?…etc.

 

もっとポジティブに書くと、

 

授受は発生しないが本来は金銭と同等の成果がある「プロサンプション」=「ブラックボックスな宝箱」を、どのような鍵なら開けることができるか? (開けることができれば、そのビジネスの収益性は飛躍的に伸びる)

 

といったところでしょうか。

このような命題を想定しているので、(今まで正面からはあまり研究されてこなかった)プロサンプションという事象を研究する価値はあると考えています。

 

 

・・・思ったより長くなってしまったので、「プロサンプションの種類・分類」「エージェンシービジネスとしての参入アプローチ」については、次回に書きます。

カテゴリー: 研究仮説の発表/議論 — 梅田 3:22 PM  コメント (908)

このブログの記事カテゴリーについて

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、エントリー記事の「カテゴリー」をご紹介することで、このブログが具体的にどんな記事を書いていくのか? ということを、イメージしていただこうと思います。

 

◎このブログについて

・このブログをご覧になる上で背景となる情報。

 

◎プロサンプション事例紹介

・プロサンプションとして捉えられそうな事例を紹介。あくまで外からフラットに観察した現象面を記述。追加情報や間違いのご指摘など歓迎。

【予定内容】

・育児/教育/医療/ヘルスケア/DIY/プログラム(リナックス、レゴマインドストーム等)/ゲーム(XNA Game Studio ExpressXbox360)、WiiWere、アイドルマスター、バンドブラザーズDX等)/Webサービス(Wikipedia、ニコニコ動画等)/エンタテインメント(VOCALOID(初音ミク等)、各種MAD等)/コミュニケーション(ブログ・SNS、サントリー・ハイボールナイト等)…etc.

 

◎研究仮説の発表/議論

・日々のブログ活動を通じて得られた知見を仮集約するカテゴリー。ある仮説記事に対して賛同・追加・反対がある場合、その記事のリンクを参照した上で、別エントリーとして記事が上がる予定。ブログ上で議論を発展させていく。また、他ブログ/Webサイトからの参加も歓迎。

【予定内容】

・プロサンプションの定義の規定(≒領域の規定)/プロサンプション現象の分類と構造研究/プロサンプションビジネスの定義の規定/プロサンプションビジネススキーム(cf.)現象の分類と構造研究)/エージェンシービジネススキーム参入アプローチ…etc.

 

◎反響・実績紹介/進捗報告

・このブログに関する反響や、このブログが実際のビジネスを推進した実績、およびその進捗の紹介と報告。(当然、掲載許可をいただいての)事後報告が多くなると思われるが、チャレンジとしてプロジェクト的にこのブログをご活用いただくことも考えられる。

【予定内容】

・反響紹介/実績紹介/進捗報告…etc.

 

◎関連トピックのメモ

・プロサンプション事例とはやや異なり、また直接の研究仮説の範疇には入らなさそうではあるが、関連しそうなトピックのメモ。追加情報や間違いのご指摘など歓迎。

【予定内容】

・アルビン・トフラー/ウィキノミクス・マスコラボレーション/消費者⇒生活者⇒生産消費者/Web2.0/CGMUGCCorporateSponsored-CGMProfessionalGMBusinessGM/CRM/ロジャースの普及理論/SOHO/ライフログ/クリス・アンダーソン「無料経済」/B2B・オープンソース・プラットフォーム(App Store等)…etc.

 

・・・以上になります。

如何ですか? 思ったより、広範囲だったのではないでしょうか?

あまり手を広げて、研究自体をぼやけたものにはしたくありませんが、まずは全体像を俯瞰して捉えることで、新たな潮流を掴み、その視座からビジネス、特に広告会社として寄与できる領域を探っていこう、というスタンスです。

 

3回に渡った「このブログについて」は、とりあえず、ここまでです。

次回以降は、いよいよ具体的な話になっていきますので、これからもよろしくお願いします!

カテゴリー: このブログについて — 梅田 1:13 PM  コメント (644)

「プロサンプション研究ブログ」のスタンス

こんにちは。大広の梅田です。

今日は、この「プロサンプション研究ブログ」を、どのようなスタンスで運営していくか?

について、お伝えします。

 

■このブログの目的

・「プロサンプション」という現象をまず理解し、既存のビジネスにどのような影響を与えているか、またどのような友好関係を結べる可能性があるか、を研究する。

・その研究において、エージェンシービジネスとしての参入アプローチについても同時に検討する。

・研究過程をオープン化。この研究自体をプロサンプション的なスタンスで実施することで、研究スピードの向上や、各ステークホルダーとの結び付きの発生・強化を狙う。

 

■研究手法とオープン化

・このブログを、大広におけるプロサンプション研究のプラットフォームとする。

・研究手法は基本的に、「事例収集」と「仮説検証」が軸となる。

・事例は収集次第、すぐにブログに掲載。仮説も考えた時点で、すぐにブログに公開。基本的に社内には溜めておかない。社内研究メンバーの事例・仮説の情報共有や議論をブログ上でオープンに行う。

 

■研究成果について

・このブログ上で展開する研究を起点に、大広のビジネスへ活用していく。

・このブログ上でオープンになっている情報について、ご覧になっている方々も是非ご活用ください。

 

■「株式会社大広」におけるこのブログの位置づけ

・「プロサンプション研究」は、(少なくとも)08年度における大広ビジネス・ナレッジ局の主要研究テーマの1つであり、その研究を行う手法としての大広オフィシャルブログである。

 

■更新頻度

・最低、週2回以上。

 

■このブログとのコミュニケーションについて

・一般的にブログ界隈で活発に行われているコメントやトラックバック、歓迎です!

・また、引用についても常識の範囲内でしたら是非お願いします。その際、このブログ名の明記と、記事へのリンクを張ってください。またトラックバックで引用のご報告を是非ください。

 

■各ステークホルダーの方々へ

◎企業(広告主)のみなさま、広告関連業種のみなさま

・気になる記事や、プロサンプション(と思われる領域)関連でのご相談事項などございましたら、お気軽にご連絡ください。メールアドレスは、prosumptionアットdaiko.co.jpです。

(アットを半角の@にしてお送りください。スパムメール対策です。)

◎記事中、事例として取り上げられたみなさま

・論文等と同様、研究目的での事例の引用をしていく予定です。論文同様、基本的に問題ないと判断しておりますが、もし問題がございましたら、上記アドレスまでご連絡ください。

◎事例や記事について感想/意見を伝えたい企業/生活者のみなさま

・コメント、トラックバック等での反応、歓迎です!企業の方に限らず、生活者の方々、ブロガーの方々からの反応もお待ちしてます!

◎同業(広告会社)のみなさま

・このプロサンプションという胎動、新たな可能性を、一緒に盛り上げていければ幸いです。

 

・・・以上が、「このブログの運営スタンス」となります。要は、「普通のブログと同じ」とお考えください!

 

次回は、「このブログの記事カテゴリーについて」ご紹介します。

カテゴリー: このブログについて — 梅田 2:30 PM  コメント (682)